「写真は見るものではなく、感じるもの」

Olivier Kervernが捉えた2020春夏キャンペーン

 
 

写真家Olivier Kervernがシチリアを巡る車の旅で2020春夏コレクションを撮影。

 

"自然の風景と都会の質感。シチリアやパレルモほど見事に、歴史を物語る幾重もの層、光と影、明瞭さと多様性、自然と人工が互いに融合し、一体となっている場所は他に見当たりません。対立する要素が生み出す均衡の妙。それはJil SanderでのLucie MeierとLuke Meierによる全ての仕事に反映されているものでもあります。広々とした野原とバロック様式、流れるようなフォルムと彫刻的形状、マスキュリンとフェミニン、コンクリートとレ―スといった正反対のものが絶妙なハーモニーを奏でています。禁欲と官能の原型のように。

Lucie MeierとLuke Meierはつい最近の車での旅にOlivier Kervernを招待。この写真家は、写真の中にこそ自由と真実の一瞬が捉えられていると信じています。Olivierは、透明で明るく、正確なものを感じ取ると同時に、被写体からは距離を置くようにしています。彼はその写真の中に時間が止まったようなタッチと親密さを生み出すのです。地形は曖昧です。人物と背景の境界も消えてなくなっています。旅をするのがJil Sander ウーマン、そしてJil Sander マン。影、反射、光が輪郭を形作ると同時にあいまいにします。そのプロセスは間違いなくアナログ的。モダンが根源的なもののように見え、古代がはっきりと私たちに語りかけてきます。「こうした写真は抽象的であると同時に感覚的。つまりシャープで、繊細で、極端なまでに正直です。その環境や建物の中で、またポートレートの中で、Olivierは私たちが意図する感情を捉えてくれています。彼と一緒に仕事ができて心から嬉しく思っています。」"